さかな
泳ぐのは飽きたなあ
体をなでる冷たい水の感覚も
全部
ガラス越しの君は
立派な大人で僕は小さな水槽の中
ただ もどかしい
鱗がすべてをさえぎって
おもりのようにはりついて
大きくなろうとする僕を
押さえつけては遠ざけるから
また近づけない
あなたはどこ
同じ世界にいるのに僕だけ小さく見えてしまう
触れれないわからない遠いんだ
すべて世界のせいにしてしまおう
泳ぐのは飽きたなあ
贅沢だけど
鱗がすべてをさえぎって
おもりのようにはりついて
呼吸のたびに重いけど僕は息をする
ここで生きていく
近づけなくても